mini EQ で天体写真 #10 〜解説 ― 2011/12/25
#8 #9 の解説っぽいもの
miniEQ赤道儀を使って天体撮影してみました。
前回のしし座銀河のときは、minBORG50+ペンシルBORGでした。 望遠鏡本体にファインダーがついていない場合、 ガイド鏡をファインダー代わりに使うのですが、さすがに 口径25mmだと口径不足です。ファインダーがわりのペンシルBORGで 星の配置をみて大体の方向をきめ、撮影して対象物を確認ののちに修正するという方法をとっていたのですが。この方法結構面倒で作業効率が悪いです。 やはり淡い天体を対象とする場合は口径50mmで倍率7〜10倍程度が欲しいところです。 前回のしし座銀河群の時、「主鏡をもう少し短いレンズにして、 ガイド鏡をminiBORG50にしたほうが楽かも」 とまとめていました。後半のガイド鏡のくだりはこのファインダー問題も含まれています。 というわけで、今回は前回の反省を生かし前回主鏡だったminiBORG50をファインダーにすることにしました。
ファインダーにminiBORG50をとられてしまったので、撮影用鏡筒は別のものを用意しなくてはなりません。 前回反省の前半「短いレンズ〜」の理由は、miniEQ赤道儀でガイド撮影する場合、 赤道儀の追尾精度が酷く5分のガイド撮影も 厳しいものがあったからです。 ということで今回は手持ちの中で次に小さな望遠鏡、合成焦点距離276mmのminiBORG45EDIIを使います。
…主鏡短くないやん。
他にうってつけの135mmF2.8レンズがあるんですけどね。
miniEQは極軸がなく、赤経体と赤緯体をボルトで止めてあるだけで、 このボルトが極軸がわりの、ちゃんとしてそうに見えるけど実際はかなり精度の悪いポータブル赤道儀です。 (2013/03/26 注 精度については 「miniEQ赤道儀の精度」に実測データをのせました。) 最近のポータブル赤道儀の中には、写真撮影を目的とした 素晴らしい精度のものも出てきているようですが、 このminiEQはあくまで眼視観測用でそれ以上の精度はありません。 極軸合わせをしても、望遠鏡を目的天体方向に振り回しているあいだに極軸はずれます。というか、遊びが大きくて軸ぶれしてます。 そんな程度ですから、撮影中にガイド鏡で見たガイド星は一時も停止することはありません。ギヤの精度もそんなには高くなさそうです。 ガイド鏡を使った条件でも中望遠レンズでも結構大変な撮影になってしまいます。 にも関わらずあえて暗く長いminiBORG45EDIIを使用したのは、別の手段を用意したからです。
それは、コンポジット法を使うこと。 方法自体はありふれたものですが、 コンポジットを使う目的が「赤道儀の精度の甘さを緩和するため」というのが珍しいかもしれません。しかも相手はポタ赤程度の実力に過ぎないminiEQです。 にもかかわらず今回はまったくのノータッチガイドです。 miniEQの実力を考えると1枚の撮影時間は30秒以内が限度。 コンポジットは枚数が多いと面倒なので、画像を見て適当にオフセットを決め合成する自作プログラムを用意して自動化しています。
実際撮影してみたところ「まぁこんなもんかなぁ」という感じ。 使える像は半分位なので歩留まりは悪いですが、撮影中は自作インターバルタイマーを 利用出きるので基本放置。前回よりははるかに楽になりました。 唯一の心配はカメラの電池切れですが、一つの対象を撮影する間は充分持つので 予備の電池を持っていって、対象を変えるたびに交換ですね。
まとめ記事はこちらのリンク先をどうぞ。
余談
miniBORG50+miniBORG45EDIIの載ったminiEQ見てるとますます昔使っていたツインファミスコ(主鏡ファミスコ60S+ガイド鏡ファミスコ60Sの天体撮影用望遠鏡を「ツインファミスコ」と呼んでいた)を思い出します。
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