皆既月蝕撮影時における露出時間決定2014/10/18

月と天王星2   三十分間の月の動き
今回は当日スケジュールの都合で、赤道義を使用しないで月蝕を撮影することにしました。使用機材はPENTAX EDUF100の直焦点としました。

皆既月食中は月もかなり暗いので、露出時間は極力長くとりたいのですが、撮影している間に月は地球の自転の影響で動いていきます。地球の自転の影響の限度を1ドットとすると、自動的に露出時間の上限が決まります。
現地で露出時間を決定したときの参考程度に概算式(暗算式)を示します。

PENTAX EDUF100の焦点距離は400mm、月の直径が1/2度なので焦点面での月の直径は焦点距離の1/100 程度で4mmといったところ 。APS-Cの撮影像素子の縦が16mm位、D40は縦2000ドットなので月の直径は500ドット前後です。

地球の自転は一時間辺り15度。なので視野上の月の移動速度の上限(天の赤道から離れると小さくなります。なので上限)も15度。すなわち1分間に1/4度。月の直径の半分動きます。秒辺り月の直径の1/120です。

月の直径が500ドット程度だったので、月はおおむね1秒間に4ドット動くことになります。1ドットの動きまでを許容する条件から露出時間は1/4秒が限度です。

上記概算の結果をうけ、その半分の1/8秒を露出時間とすることにしました。

地球の自転の影響を抑えても、月が写ってなければ意味がありません。1/8秒露出で試写したところ、月が地球の影に入っている部分も写っていたので(現地着が80%以上欠けた頃でした)、露出時間1/8秒で決定です。


参考までに赤道義を使用した場合どの程度まで露出を伸ばせるかも示しておきます。

月はおおよそ1ヶ月で地球の回りを1周します。単純に言えば恒星に対して地球自転の1/30の移動速度を持っていることになります。普通の赤道義でた単に恒星を追いかけ地球の自転分をキャンセルしたとしても、月は写野のなかを先の概算の1/30の速さで移動していくことになります。許容できる露出時間は先の概算の30倍程度の8秒前後と言うことになります。

焦点距離400mmのEDUF100でこの程度ですから、より大きく月を拡大撮影した場合は露出時間は短くなります。例えば撮像面一杯ならば焦点距離が4倍位になるので、見かけの移動速度は4倍となり、露出時間は2秒程度とかなりシビアな感じとなります。

けっこう天球上での月の動きは速いことを実感させられる数字です。

というわけで、天王星と月の写真です。上が19:23頃。下が19:54頃。30分間で月がどのくらい動いたかがはっきり見てとれます。

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